養生訓

図書館ホームページ   貝原益軒アーカイブ
大和本草   和俗童子訓   筑前国続風土記
養生訓校注の序(貝原守一博士)
変体仮名の表(平凡社世界大百科辞典より)
PDFファイルはダウンロードしてお読みください。(PDF利用法参照)



養生訓は貝原益軒(1630-1714)の著書のうちで最もよく読まれたものである。ここには3種類の養生訓を掲載する。ディジタル化した養生訓の原文(中村学園大学校訂テキスト約200KB)、貝原守一博士ご校注の貝原守一博士校訂本イメージ版(1943年:昭和18年11月 約8MB)版、および益軒の執筆完成直後(1713年:正徳3年)に発行された正徳本養生訓イメージ版(約20MB)である。イメージ(PDF)はブラウザーでも読めるが非常に時間がかかるので、ブラウザーでダウンロードしてから、オフラインでアクロバットを使って読むことを薦める。能率がまったく違う。プリンターを使えば細かい点まで詳細に打ち出すこともできる。PDFについてはPDFファイルの利用方法を参照されたい。

中村学園大学校訂テキストは、益軒全集(明治43年)、有朋堂文庫本「益軒十訓」(大正2年)、貝原守一博士の校訂本、岩波文庫本および講談社学術文庫本を参考にして入力したものである。漢字は現行のJIS漢字に置き換えたが、仮名は旧仮名遣いのままにした。JIS漢字で表せない漢字は、イメージとして付け加えた。イメージの作成には無償の文字鏡を使用した。送り仮名、読み、仮名書きの漢字化、言葉の説明など原文に無いものをカッコ内に挿入した。検索や引用に便利なように各パラグラフに番号を付けたが、原文にない小見出しはつけなかった。OCRによる入力ができなかったので、全文を本学食物栄養科4年の4人の学生、助手および私がキーボードによって入力した。全文をひとまとめにしたファイルは、検索やダウンロードが容易である。

貝原守一博士の「貝原益軒養生訓」は、戦時下昭和18年に福岡市で発行され、博士は惜しくも戦死されたので、稀覯本となっている。博士は九州帝国大学医学部細菌学教室の助教授であり、その注は医学的には勿論のこと文献学的にもきわめて価値あるものである。正徳本は養生訓の基本的な底本ではあるが、あいまいな刷字や出版者による傍訓があると言われている。守一博士は益軒の大和本草、本草和名抄などを調べて厳密な校注を行っている。岩波文庫本の付記にも記されているように同文庫本の注の大部分は本書の注の引用であり、講談社学術文庫本などの解釈も本書に依存しているようである。これが守一博士校訂本を今回イメージとして発行する理由である。なお、イメージからも判るように本書の校注者序文には幾つもの書き込みがみられる。守一博士によるものと考えられる。書き込みは主として歴史仮名遣いを発音仮名遣いに書き直したものであり、博士はカナモジカイの会員であられたとのことである。養生訓校注の序(貝原守一博士)は優れた序論で入門に適しているので読みやすいようにディジタル化したものも収録した。

養生訓は正徳2年益軒83歳のときに完成され、翌3年に発行されたものである。これが正徳本である。この年の暮に40数年連れ添った東軒夫人が他界し、その翌5年夏に益軒も世を去った。このように正徳本は益軒在世の最後に出版された本であるとともに、養生訓の最終的な底本である。その後も何度か出版されていて、表紙の写真を掲載した文化九年版は文化四年補刻とあり、最後に17丁の養生訓付録と名づけた解説がある他は正徳版との違いは見つけられなかった(イメージの比較:左が正徳版)。撮影に用いた正徳版は、九州大学医学部泌尿器科所蔵のもので現在は同大学付属図書館医学分館にマイクロフィルムとともに保存されている。なお、九大医学部所蔵のものは1丁の落丁があったので、文化版で補った。

正徳判の平仮名は現行のものとかなり異なるために慣れないと読みにくいと思われる。参考まで平凡社世界大百科辞典の変体仮名の表をPDF形式で提供した。拡大すればかなり細い点まで知ることができる。この表を参考にすれば原書を読みこなすことも不可能ではないであろう。

本学図書館にある関連書籍としては,益軒全集(全八巻)、益軒十訓(塚本哲三校注 121.4/TS)養生訓・和俗童子訓(岩波文庫 080/I 95/332),講談社学術文庫(現代語訳および原文)、小児科医であるとともに思想家の松田道雄先生による現代語訳(中央公論社,日本の名著:081/N77/14),俳人萩原井泉水先生の「益軒養生訓新説」(121.4/O 25),生理学者で漢方にもお詳しい杉靖三郎先生の「養生訓と現代医学」(404/SU32)などがある.

謝辞:この企画にあたって貝原益軒のご子孫にあたる貝原信紘博士にいろいろご教示いただき、佐伯清美博士および同夫人に貴重な守一博士の著書をお貸しいただいた。御礼申し上げます。また、本学三成助教授には文化九年版養生訓を使わせて頂いた。


現代語訳は森下さんのホームページをご覧ください。