友人に糖尿病患者が居ない人はほとんど無いでしょう。アメリカでは千6百万人の糖尿病患者が居ると推定されています。糖尿病は一生続く重篤な状態です。これらの人々の約半分は糖尿病だとは知らず、治療を受けていません。毎年、約65万人が糖尿病と診断されています。 糖尿病はふつう中年以上の人々に起きますが、アメリカでは子供に見られるもっともふつうな慢性疾患の一つです。子供や19才以下のティーンエイジャーの12万7千人は糖尿病です。
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糖尿病とは何でしょう |
糖尿病は代謝の異常です。代謝とは、われわれの身体が、生長やエネルギーのために消化した食物を利用する過程です。食物のかなりな部分は、消化液によって、グルコースと呼ばれる単純な糖に分解されます。グルコースは、身体が利用する主要なエネルギーです。 消化されると、グルコースは血流に入り、身体の細胞が生長やエネルギーに利用します。グルコースが細胞内に入るには、インスリンが無ければなりません。インスリンは膵臓が作るホルモンです。膵臓は胃の後ろ側にある大きな腺です。 食事をしているときには、グルコースを血液からわれわれの身体の細胞に入れるために、膵臓は必要量のインスリンを自動的に作らなければなりません。しかし、糖尿病患者では、膵臓はインスリンを少ししかまたは全く作らないか、または身体の細胞がインスリンに反応しません。その結果、グルコースは血液中に溜まり、尿中に溢れ、身体の外に出されます。このようにして、血液中に大量のグルコースがあるのに、身体は燃料の多くを失ってしまいます |
糖尿病にはどんな種類があるのでしょう? |
主な3種類の糖尿病は:
1型糖尿病=インスリン依存性糖尿病 (IDDM) 1型糖尿病は自己免疫疾患と考えられています。感染と戦うシステム(免疫系)が、身体の一部を傷害するようになったのが自己免疫疾患です。糖尿病では、免疫系は膵臓のベータ細胞を攻撃して、破壊します。膵臓はインスリンを少ししか作らなくなったり、または全く作らなくなります。 1型糖尿病(IDDM)の人は、生きて行くために、毎日インスリン注射をする必要があります。現在のところ、科学者たちはどのようにして身体の免疫系がベータ細胞を攻撃するようになるかを知りません。しかし、遺伝とウィルスが関与していると信じています。アメリカでは糖尿病と診断される人々の約5〜10%が1型糖尿病です。 1型糖尿病は子供や若い成人に発生しますが、しかし、どの年齢でも起きます。この病気の症状は短時間に進展しますが、ベータ細胞の破壊は、数ヶ月または数年前から、始まっています。 症状は渇き、他尿、絶えざる空腹感、体重減少、視力障害、疲れ易さ、などです。診断されないで、インスリン治療がされないと、昏睡状態となり、危篤状態になります。 2型糖尿病=インスリン非依存性糖尿病(NIDDM) もっともふつうに見られる糖尿病は2型糖尿病です。糖尿病患者の90〜95%は2型糖尿病です。この型はふつう40才またはそれ以上の成人に起き、55才以上の成人に最もふつうです。2型糖尿病患者の約80%の人は肥満者です。 2型糖尿病では、ふつう膵臓はインスリンを作ります。しかし、何らかの理由によって、身体はインスリンを能率よく利用することはできません。その結果は1型糖尿病と同じです。血液中にグルコースが病的に蓄積し、身体はこの主な燃料を能率よく利用することはできません。 2型糖尿病はゆっくりと進展し、1型糖尿病とは違って気がつきません。症状は、疲れ易さ、頻尿(とくに夜間)、異常な渇き、体重減少、視力低下、感染し易さ、傷の治りにくさ、などです。 妊娠糖尿病 妊娠糖尿病は妊娠時に進展し発見されます。この型はふつう妊娠が終わると消失します。しかし、妊娠糖尿病にかかった婦人は、生涯の後の時期に2型糖尿病となる危険性小さくありません。
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糖尿病の見通しと影響は? |
糖尿病は、アメリカにおける死亡および身体障害の主要な原因の一つです。死亡診断書によると、1992年度に16万9千人の死亡原因となっています。 糖尿病は身体のほとんどすべての部分の長期間にわたる合併症と関連しています。失明、心臓病、卒中、腎不全、四肢の切断、神経障害などを起こします。糖尿病を治療しないと、妊娠に悪影響を与え、糖尿病の婦人に生まれた新生児には奇形が起きることが少なくありません。 糖尿病による損失は1992年にアメリカで920億ドルに及んでいます。傷害年金、欠勤、早死などによる間接的損失は470億ドルで、入院費、看護代、材料費などを含む医療費は450億ドルでした。
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誰が糖尿病にかかるのでしょう? |
糖尿病は伝染病ではありません。互いに”感染”するようなことはありません。しかし、糖尿病になるリスクを高める因子があります。糖尿病(とくに2型)の患者が家族内にいたり、体重超過だったり、アフリカ系やスペイン系だったりアメリカインディアンであったりすると、糖尿病になるリスクは大きいことが知られています。 1型糖尿病は男子にも女子にも起きますが、非白人よりも白人によく起きます。WHOの「小児糖尿病についての多国間プロジェクト」からのデータによると、1型糖尿病はアジア系、アフリカ系、先住アメリカ人には稀です。一方、フィンランドやスウェーデンなどの北ヨーロッパの国では、1型糖尿病の割合が高いことが知られています。この理由は明らかではありません。 2型糖尿病は老年者、とくに体重超過の老婦人に多く、アフリカ系、アジア系、先住アメリカ人によく起きます。非スペイン系白人に比べて、糖尿病はアフリカ系アメリカ人では60%高く、メキシコ系およびプエルトリコ人では110〜120%く。先住アメリカ人は世界で糖尿病の頻度がもっとも高い民族です。たとえばアメリカに住んでいるピマ・インディアンでは、成人の半分は2型糖尿病です。糖尿病の頻度は今後ますます増加すると考えられています。老年者およびスペイン系アメリカ人および他の少数民族が、アメリカ人口のうちで急速に増加しているからです。
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糖尿病の治療法は? |
1921年にインスリンが発見される前は、1型糖尿病の人はこの病気にかかって数年後には死亡しました。インスリンによって糖尿病を治癒させることはできませんが、この発見は糖尿病の治療における重要な大躍進の最初でした。 現在では毎日のインスリン注射が1型糖尿病の基本的治療方法です。インスリン注射は食事および毎日の活動とバランスを保たせなければなりません。したがって、血糖検査をしばしば行って、グルコース濃度を正確にモニターしなければなりません。 食事、運動および血糖測定はまた2型糖尿病の管理にとっても基本です。さらに、2型糖尿病でも人によっては血糖レベルを下げるために、経口糖尿病薬やインスリンを使うことがあります。 糖尿病の患者は自分自身の毎日のケアに責任を持たなければなりません。毎日のケアで重要なのは、血糖を低すぎたり高すぎたりしないことです。血糖レベルが低くなり過ぎたら(低血糖と呼ばれる)、人々は興奮しやすくなり、身震いし、まごついたりします。判断が異常になり、最後には意識を失います。低血糖の治療は、砂糖が入っているものを食べるか飲むことです。 逆に、血糖が高くなり過ぎると、気分がひじょうに悪くなります。この状態を高血糖と言います。低血糖と高血糖は1型でも2型糖尿病でも起き、生命に危険な急患です。 糖尿病の患者は糖尿病をコントロールし合併症を調べることのできる医師に見て貰わなければなりません。糖尿病を専門とする医師は内分泌専門医とか糖尿病専門医と呼ばれます。さらに糖尿病患者は、眼を検査するために眼科医、足のケアのために足専門医、食事の計画のために栄養士、毎日のケアについての指導について糖尿病教育者、にしばしば掛かる必要があります。 糖尿病管理のゴールは、血糖レベルを安全にできるだけ正常(非糖尿病)の状態に保つことです。糖尿病・消化器・腎臓疾患国立研究所(NIDDK)の後援で行われた最近のアメリカ政府の研究は、血糖レベルをできるだけ安全に正常値に近く保つことが、主な糖尿病合併症の起きる危険を低くすることを証明しました。 糖尿病コントロール・合併症調査(Diabetes Control and Complications Trial (DCCT))と名付けられた10年にわたる調査は1993年に終了しました。この調査では1,441人の1型糖尿病患者が調べられました。この研究では、眼、腎、神経の合併症にたいして、強力な管理と一般的な管理が比較されました。研究者たちは、強力な管理によって血糖を低いレベルに保った患者で、上記の合併症が有意義に低くなることを見いだしました。 研究者たちは、このDCCTの結果は、1型糖尿病だけでなく2型糖尿病にも重要な関与があると信じています。
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糖尿病研究の現状は? |
NIDDKは研究所内の実験室やアメリカ国内の研究センターや病院における基礎および臨床研究を後援しています。また糖尿病についての統計を集め解析しています。他の国立衛生研究所(NIH)も、糖尿病に関係する眼病、心臓循環病、妊娠、歯疾患などを研究しています。 糖尿病の問題を後援している他の政府機関としては、疾病対策予防センター、インディアン健康サービス、健康資源およびサービス管理局、退役軍人管理局、国防省などがあります。 政府外の団体も糖尿病研究や教育活動を支援しています。そのような組織としてはアメリカ糖尿病学会、国際若年糖尿病基金、アメリカ糖尿病研究者会などがあります。 近年の糖尿病研究の進歩によって、糖尿病の優れた管理と合併症治療が為されるようになりました。次のようなものが挙げられます:
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将来どうなるか? |
将来は鼻腔内スプレーまたは錠剤または貼り薬によってインスリンを投与することができるようになるでしょう。指を刺して採血せずに血糖レベルを「読む」ことのできる装置が開発されつつあります。 研究者たちは糖尿病の原因、およびこの病気を予防し治す方法を探し求めています。科学者たちは1型および2型糖尿病に関係する遺伝子を探しています。1型糖尿病の遺伝子マーカーが見つかり、リスクがあるかどうか患者の親戚をスクリーンできるようになりました。 NIDDKの後援による1型糖尿病予防試験の新しい委員会は、1型糖尿病のリスクのある親戚を見つけて、少量のインスリンまたは経口インスリン様薬品を投与して、1型糖尿病を予防できるかを試しています。同様な研究は世界中の他の医学センターで行われています。 膵臓またはインスリンを作るベータ細胞の移植は、1型糖尿病患者に最高の希望を与えています。膵臓移植で成功が見られた例があります。しかし、移植を受けた人は移植膵臓が拒絶されないためには強力な薬を取らなければならなりません。これらの薬品は高価であり、健康に悪い作用を起こす可能性があります。 科学者たちは害作用の少ない薬や身体によって拒絶されないような膵臓移植方法の開発に努力しています。バイオテクノロジーの技術を使って、血糖の上昇に反応してインスリンを分泌するような、人工的のランゲルハンス島を作ろうともしています。 2型糖尿病については、重点は予防に置かれています。予防手段として、リスクのい人を見つけだして、体重を減らし、もっと運動をし、健康的な食事をするように薦めることがあります。NIDDKの新しいプロジェクトである糖尿病予防プログラムは、リスクがい集団で糖尿病を予防することに、焦点があてられています。
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覚えていなければならない点 |
糖尿病とは何でしょう?
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