高血圧治療のための献立を、食塩7.8gの例で紹介します。高血圧の治療には、まず減塩と減量です。減量については、肥満の献立例を参考にしましょう。
食塩は、1日7.8gにします。極端な減塩は食欲を減退させるだけでなく、長続きしません。そのためには、調理法に注意して調味料で1日6g程度を目標にします。ちなみに食塩は小さじ1杯で5gあります。しょうゆは小さじ1杯で1gあります。汁物は1日1回にし、具を多く吸い汁を少なく盛り付けます。煮物も甘みに隠された塩分が多いので注意しましょう。揚げ物、蒸し物、あえ物、酢の物などは低塩でおいしく食べられる料理です。料理の組み合わせに注意しましょう。
“酢を制するものは料理を制する"と言われます。レモンやカボスなどを食卓に置き、揚げ物、焼き物、煮物にも使いましょう。辛子、ワサビ、ショウガ、ロリエなどの香辛料やケチャップなど低塩調味料を上手に使い、しょうゆもだし汁で割って使います。すべてを薄味にすると満足感がないので、てんぷらのようにつけ汁で、舌にしょうゆ味を直接感じさせるのも良い方法です。しかし、つけ汁をつけ過ぎないように注意します。
高塩食品の漬物、佃煮、干し魚、ハムなどは控えましょう。さらに、減塩効果をあげるためにカリウム、マグネシウムの摂取を増やします。エネルギ-の調整は食品分類表の(表1)で行います。
(g) |
(g) |
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| ・塩分の多い食品 塩ザケ(1切れ) 塩辛(小鉢1杯) タラコ(小1/2腹) 塩サバ(1切れ) シラス干し(小鉢1杯) イワシ丸干し(小3-4匹) かまぼこ(3切れ) ちくわ(1/2本) アジ干物(中2匹) はんぺん(小1枚) 大根みそ漬け(3切れ) 梅干し(1個) たくあん漬け(半月型1cm3切れ) ぬかみそ漬け(小皿1杯5切れ) 高菜漬け、野沢菜漬け(小皿1杯) 白菜漬け(小皿1杯) ・調味料 食塩(小さじ1杯) みそ(大さじ1杯強) しょうゆ(小さじ1杯) ウスターソース(小さじ2杯) 豚カツソース(小さじ2杯) トマトケチャップ(小さじ2杯弱) マヨネーズ(小さじ2杯) |
55 30 50 70 20 30 50 40 30 30 30 10 30 30 30 30 5 20 6 10 10 10 10 |
4.5 3.4 3.3 3.2 2.4 1.8 1.3 1.0 0.9 0.6 3.5 2.1 2.1 1.5 1.2 0.5 5.0 2.0 1.0 0.9 0.6 0.4 0.2 |
| 朝食(豆腐とシメジのみそ汁ほか) | 昼食(五目やきそば) | 夕食(タイの昆布じめ、てんぷら) |
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五目焼きそば
外食では、あんかけの焼きそばやスパゲティにすると、かけうどんや、ちゃんぽんの2分の1の食塩量になります。
タイの昆布じめ
タイは5mmの厚さのそぎ切りにし、昆布に挟んで軽く圧をします。刺し身に代えて、昆布の塩味とうまみにレモンをかけるだけでおいしくいただけます。
● 献立表の調味料からの食塩量は1日合計5.4g(朝食2.0g、昼食2.6g、夕食0.8g)です。
| 献立名 | 食品名 | 可食量(g) | 目安量 | ||
| 朝 | ごはん | ごはん(強化米入り) | 220 | 茶わん2杯 | エネルギ- 520kcal タンパク質 22.1g 脂質 10.2g 糖質 85.9g |
| 豆腐とシメジのみそ汁 | 豆腐 シメジ 三つ葉 白みそ だし汁 | 40 20 5 10 130 | 1/10丁 | ||
| だし巻き卵 おろし大根 | 卵 カイワレ菜 砂糖 塩 なたね油 大根 レモン汁 | 50 7 3 0.5 3 30 少々 | 1個 小1 小1/10 小1弱 | ||
| ホウレンソウのゴマあえ | ホウレンソウ エノキタケ ゴマ しょうゆ みりん/だし汁 | 50 20 2 3 3/3 | 小1 小1/2 各小1/2 | ||
| 昼 外 食 | 五目焼きそば | 中華蒸しめん 豚もも肉 イカ 酒/ショウガ かまぼこ 玉ネギ ニンジン/タケノコ 生シイタケ 大豆油 チンゲン菜 だし汁 塩/しょうゆ かたくり粉 | 160 60 30 各少々 10 40 20/15 20 7 50 160 2/4 6 | 1玉 2切れ 1枚 小2 小3/4C 小1/2、小1/2 小2 | エネルギ- 512kcal タンパク質 23.1g 脂質 14.2g 糖質 73.6g |
| 間 | フルーツ | バナナ キウイフルーツ | 50 75 | 1/2本 1個 | エネルギ- 192kcal タンパク質 5.6g 脂質 7.0g 糖質 28.4g |
| 牛乳 | 牛乳 | 200 | 1本 | ||
| 夕 | ごはん | ごはん | 190 | エネルギ- 616kcal タンパク質 28.8g 脂質 19.3g 糖質 81.5g | |
| タイの昆布じめ | タイ 昆布 大根/ニンジン キュウリ 干しワカメ レモン | 60 1 30/7 20 3 15 | 少々 1切れ | ||
| てんぷら | 白身魚/アナゴ エビ 生シイタケ/シソ ニンジン/インゲン 小麦粉 卵/水 | 40/20 20 20/1 10/10 15 5/25 | 各1切れ 1匹 各1枚 大2 少々/大1.7 | ||
| てんつゆ | だし汁/みりん しょうゆ | 20/4 4 | 盛りつけは可食量の2倍 | ||
| カブとカキの酢物 | カブ/三つ葉 カキ 酢/砂糖 塩 | 40/5 15 5/2 0.2 | 小1/小1/2 小1/10 | ||
| 1日計 | 総エネルギ- 1840kcal | 総タンパク質 79.6g | 総脂質 50.7g | 総糖質 269g |
高血圧治療のために1800 kcal、調味料による食塩5.5g、カリウム3.3gの献立例を示します。
減塩に加えて、さらに効果を上げるために、カリウムとマグネシウムの摂取を増やします。カリウムは、食塩の尿中への排泄を促進し、血圧を下げる作用があります。カリウムは、野菜、キノコ、海藻、フルーツ、大豆、牛乳、魚、獣鳥肉、芋類に特に多く、ほとんどの食品に含まれています。1日3.4gを目標に各表をバランス良く摂取することです。
マグネシウムは大豆、海藻、バナナ、緑色野菜等に多く含まれ、1日の摂取目標量は300mgです。
カリウム・マグネシウムの多い食品
| ・野菜 ホウレンソウ 春菊 ニンジン トウモロコシ トマト ・フルーツ メロン バナナ キウイ イチゴ ・魚・肉・貝 カツオ イワシ アジ マグロ ヒラメ 牛肉 ホタテ貝 ・乳製品 牛乳 ヨーグルト |
・芋類 長芋 サツマ芋 ジャガ芋 ・豆類・豆加工品 納豆 小豆 枝豆 ・種実類 ピーナツ ゴマ ・海藻類 ワカメ 昆布 ヒジキ ・キノコ類 シイタケ シメジ エノキダケ |
カリウム、マグネシウムとも日本人では不足ぎみです。いずれも茹で操作で、約40%失われるので調理に注意します。最近、低食塩、高カリウム、高マグネシウムの食塩も開発されています。薄味に感じないで使用できるので、それらの利用も有効でしょう。
また、魚、肉、乳類などはカリウム含量も多いのですが、良質のタンパク質源 でもあり、高血圧の治療には良質のタンパク質を十分に摂取することも大切です。
アルコールは、1日に日本酒の場合150ml、ビールの場合400ml(各2単位)までとし、表1の単位と交換します。
● 献立表の単位数
表1:11、表2:1、表3:5、表4:1.4、表5:2、表6:1、調味料1.1単位で1日合計22.5単位(1800kcal)です。
エネルギー所要量の異なる場合は表1のごはんで増減しましょう。
【調理法】
かぶら蒸し
カブは、おろして軽く水分をきります。エビ、生シイタケは一口大にきり、白身魚とともに、軽く酒をふります。卵白をほぐし、おろしたカブと合せて、塩、砂糖、みりんで調味します。深目の器にエビ、生シイタケ、白身魚を入れ、調味したカブを上にのせて15分間強火で蒸す。吸い汁にかたくりでとろみをつけたあんをかけ、おろしショウガを天盛りにします。
サバの立田揚
サバはしょうゆ、みりん、ショウガ汁に30分間浸し、水気を取り、かたくり粉をつけて油で揚げます。おろし大根とレモンを添えます。
紅葉あえ
大根、ニンジン、キュウリ、キクラゲは千切りにします。卵、酢、砂糖、塩を合わせ、火にかけてしっとりとしたそぼろを作ります。冷やして野菜をあえます。
| 献立名 | 食品名 | 可食量(g) | 目安量 | ||
| 朝 | ごはん | ごはん(強化米入り) | 190 | 茶わん1.5杯 | エネルギ- 488kcal タンパク質 21.6g 脂質 10.1g 糖質 76.2g |
| みそ汁 | 里芋 ワカメ 春菊 みそ/だし汁 粉サンショウ | 25 3 5 10/150 少々 | 大2/3、3/4C | ||
| 納豆 | 納豆 | 40 | |||
| みぞれあえ | 大根 しょうゆ 酢 | 30 3 2 | 小1/2 小1/2 | ||
| ニラの卵とじ | ニラ サラダ油 卵 だし汁/しょうゆ 砂糖 | 50 3 20 30/5 2 | 1/3個 小1/2 | ||
| 昼 | パン | 食パン | 90 | 厚切1枚 | エネルギ- 560kcal タンパク質 19.2g 脂質 10.8g 糖質 79.0g |
| ビーフシチュー | 牛肉もも 玉ネギ/ニンジン ジャガ芋 グリンピース マーガリン 小麦粉 ブイヨン トマトケッチャップ 塩/コショウ グローブ/ロリエ | 60 40/20 50 5 6 8 120 25 1.0/少々 各少々 | 卵小1個 大1/2 大1 大15 小1/5/少々 | ||
| グリーン サラダ | レタス キュウリ/トマト コーン マヨネーズ 酢/牛乳 | 30 20/130 15 7 3/3 | 1枚 | ||
| 間 | フルーツ | バナナ | 100 | 中1本 | エネルギ- 192kcal タンパク質 5.6g 脂質 7.0g 糖質 28.4g |
| 牛乳 | 牛乳 | 200 | 1本 | ||
| 夕 | ごはん | ごはん | 165 | エネルギ- 560kcal タンパク質 32.7g 脂質 19.3g 糖質 68.8g | |
| かぶら蒸し | カブ 卵白 白身魚 エビ 生シイタケ ニンジン/ギンナン 塩/砂糖 だし汁/みりん 塩/しょうゆ | 70 15 30 20 20 10/3 0.3/2 30/1 0.2/0.1 | 1/2個 1/2個 1枚 少々/小1 各少々 | ||
| サバの立田揚 | サバ しょうゆ/みりん かたくり粉 揚湯 大根 レモン シシトウ | 60 3/3 6 6 30 10 20 | 1切 各小1/2 小2 | ||
| 紅葉あえ | 大根 ニンジン/キュウリ キクラゲ 卵 酢/砂糖 塩 | 30 10/20 1 15 6/3 0.2 | 1/4個 小1/小1/2 少々 | ||
| 1日計 | 総エネルギ- 1800kcal | 総タンパク質 79.1g | 総脂質 47.2g | 総糖質 252g |
肥満、特に腹部脂肪が総コレステロ-ルの数値を上げ、肥満者では善玉のHDLコレステロ-ルが低くなります。食事で絵ネルギ-摂取を少なくし、歩行運動を併用して腹部脂肪を減少させることが第一です。
●油を使った料理は1日1~2皿
次に脂肪の総摂取量をエネルギ-の20%程度にします。1993年(平成5)度国民栄養調査の結果では、総脂肪摂取量のうち73%を目に見えない脂肪から摂取しています。すなわち肉から20%、卵、牛乳、魚、穀類、豆類から各10%程度、そのほかに菓子、種実などです。見える脂肪の植物性油、マヨネ-ズ、マ-ガリンなどからは27%程度なのです。したがって、獣鳥肉類は脂肪の多い部位の摂取を控え、かた・もも肉とし、鶏肉は皮なしにします。牛乳・ヨ-グルトはタンパク質、カルシウム源として重要な食品なので、低脂肪のものを摂取しましょう。
見える脂肪の摂取は、1600kcal以下では、1日10g(表5:1単位)約大さじ1杯程度です。1600kcal以上では1日15-20g(表5:1.5-2単位)程度に抑えます。これで油を使った料理は、1日に1~2皿程度になります。市販のドレッシングには脂肪ゼロのノンオイルや脂肪半分のハ-フなどがあります。上手に使いましょう。
●1日一切れの魚と、オリ-ブ油
総コレステロ-ルを下げ、HDLコレステロ-ルを正常に保つためには、脂肪の質、すなわち飽和脂肪酸(S)、一価不飽和脂肪酸(M)、多価不飽和脂肪酸(P)の割合を考慮します。
そのために、調理に用いる見える脂肪は、なたね油と大豆油の混合油、またはオリ-ブ油を用います。サラダ油、てんぷら油は成分表示を参考にします。さらに多価不飽和脂肪酸のバランス、すなわちn-6系とn-3系の比を考えると、魚類の脂肪が必要です、魚類は見えない脂肪になりますが、1日一切れの魚の摂取は脂肪酸のバランスの上からも欠くことはできません。
女性では、1400kcalにするために献立例からごはん1日110gを減らせばよいのです。
・献立例のS:M:Pの比は1:1.5:1。n-6系とn-3系の比は4:1。コレステロ-ル250mg以下。食物繊維20g。
| 朝 | 胚芽米ごはん | 胚芽米ごはん | 165 | 茶わん1杯 | エネルギ- 456kcal タンパク質 17.5g 脂質 8.0g 糖質 76.9g |
| みそ汁 | ワカメ サツマ芋 ミソ だし汁 | 3 35 10 130 | 小2 | ||
| いり卯の花 | おから 干ヒジキ 鶏むね肉 ニンジン/サヤ豆 なたね油 しょう油/砂糖 | 40 3 35 10/5 3 3/3 | 小1 各小1弱 | ||
| ホウレンソウ ゴマ酢あえ | ホウレンソウ エノキ ゴマ 酢/砂糖 | 50 10 2 5/2 | 各小1 | ||
| 昼 | ドライカレ- | ごはん 豚もも肉 玉ネギ ピ-マン ニンジン ニンニク/ショウガ レ-ズン なたね油 カレ-粉 トマトピュ-レ 塩 ウスタ-ソ-ス コショウ/ロリエ パセリ らっきょう | 165 60 50 20 20 1/1 5 5 1.5 20 1.5 2 10 | 茶わん1杯 小1.5 小1弱 小1/2 | エネルギ- 496kcal タンパク質 26.0g 脂質 16.7g 糖質 61.2g | 野菜サラダ | レタス トマト マッシュル-ム シ-チキン ワイン なたね油 酢 塩/コショウ クレソン | 30 30 20 30 7 2 5 0.5/少々 | 小1.5 |
| 間 | フルーツ | リンゴ | 100 | 1/2個 | エネルギ- 144kcal タンパク質 26.5g 脂質 6.5g 糖質 17.8g | 牛乳 | ロ-ファット乳 | 200 |
| 夕 | キノコごはん | 米 シメジ 淡口しょうゆ | 90 30 9 | 小2 | エネルギ- 504kcal タンパク質 26.5g 脂質 10.3g 糖質 76.9g |
| 焼き魚 | アジ 塩 大根 レモン | 60 0.5 30 10 | 1尾 | ||
| 茶碗むし | 卵/だし汁 塩/みりん 鶏ささみ エビ 干シイタケ ニンジン/三ツ葉 | 20/80 1/3 25 20 3 10/5 | 1/3個 1尾 1枚 | ||
| 春菊と黄菊の あえ物 | 春菊 黄菊 しょうゆ/だし汁 | 50 2 3/5 | |||
| フル-ツ | カキ | 100 | 1/2個 | ||
| 1日 計 | 総エネルギ- 1600kcal | 総タンパク質 75.2g | 総脂質 41.5g | 総糖質 223g |
高コレステロ-ル血症には、脂肪総摂取量・脂肪酸に次いで、コレステロ-ルと食物繊維の摂取量が問題になります。その献立例を紹介しましょう。食事からのコレステロ-ルの摂取量が少ないと、必要な量は肝臓で作られますが、摂取量が多すぎると血清コレステロ-ルを上げることになります。したがって1日250mg以下になるように注意します。 次に食物繊維の摂取量を増やします(右図は食物繊維の多い食品)。食物繊維は、コレステロ-ルを便中に排泄しやすくします。なかでも水溶性の食物繊維が有効と考えられます。食物繊維は、米よりも麦に多く、豆類、芋類、野菜、海藻、キノコ類に多く含まれています。食物繊維はしかもノ-カロリ-なので進んで摂取しましょう。目標は1日に20gとされています。
食物繊維の多い食品には、カリウム、マグネシウムも相対的に多く含まれ、相乗効果も期待できます。
| 朝食(クラムチャウダーほか) | 昼食(五目ごはん、サバのマリネ) | 夕食(麦ごはん、しゃぶ鍋) |
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クラムチャウダ-
鶏むね肉は一口大に、玉ネギ、ニンジンはいちょう切り、なたねマ-ガリンでいため、小麦粉をふり 込みさらにいためます。ブイヨンを加え、ニンジンが柔らかくなったら牛乳、トウモロコシを加え調 味します。
サバのマリネ
サバは二切れに切り、小麦粉をつけて揚げます。酢・白ワイン・塩・コショウを合わせ、揚げたサバを 熱いうちに漬け込み、千切りの、生野菜をたっぷり混合せます。
コレステロ-ルを多く含む食品
| 卵黄 イカ エビ 生ウニ タラコ バタ- 鶏肝 豚肝 シシャモ | 小1個 100g 100g 100g 100g 100g 100g 100g 100g | 250 300 190 290 340 210 370 250 340 |
| 食品名 | 一回使用量 | |
| (g) | 食物繊維(g) | |
| オ-トミ-ル 麦 そば トウモロコシ サツマ芋 生ヒジキ ゴボウ ニンニク茎 ホウレンソウ ブロッコリ- モヤシ シメジ エノキ 生シイタケ | 30 20 1玉 50 50 50 40 40 60 40 40 40 | 2.7 1.8 4.0 1.7 1.1 1.5 3.4 3.4 2.1 2.4 1.7 1.7 1.7 1.7 |
| 献立名 | 食品名 | 可食量(g) | 目安量 | ||
| 朝 | フランスパン | パン なたねマーガリン | 75 4 | 大1/2 | エネルギ- 520kcal タンパク質 19.9g 脂質 17.5g 糖質 68.5g |
| クラムチャウダー | アサリ 鶏むね肉 玉ねぎ ニンジン スイートコーン グリンピース なたねマーガリン 小麦粉 ローファット乳 塩/コショウ | 30 50 40 10 20 5 4 5 150 1.2/少々 | 1/5個 大3 大1/2 大1/2 | ||
| フルーツ | グレープフルーツ | 100 | 1/2個 | ||
| レモンティー | 紅茶 レモン | ||||
| 昼 | 五目ごはん | 精白米 鶏むね肉 ゴボウ ニンジン シメジ 三ッ葉 淡口しょうゆ | 90 30 20 10 20 7 8 | エネルギ- 480kcal タンパク質 23.1g 脂質 10.6g 糖質 73.6g | |
| サバのマリネ | サバ 小麦粉 なたね油 酢/白ワイン 塩/コショウ セロリ 玉ネギ ピーマン キュウリ/レモン 生シイタケ サラダ菜 | 40 2 3 4/4 0.2/少々 10 20 10 40/10 15 5 | 1切れ 小1 各小1 中1枚 1枚 | ||
| すまし汁 | 生麩(なまふ) ワカメ カイワレ菜 塩/しょうゆ | 10 3 5 各1 | |||
| 間 | フルーツヨーグルト | キウイフルーツ ヨーグルト | 75 70 | 1個 | エネルギ- 80kcal タンパク質 2.0g 脂質 2.5g 糖質13.0g |
| 夕 | 麦ごはん | 麦ごはん | 190 | エネルギ- 520kcal タンパク質 28.0g 脂質 10.4g 糖質 77.2g | |
| しゃぶ鍋 | 牛もも肉 豆腐 生シイタケ 深ネギ タケノコ カリフラワー 春菊 春雨 ポン酢 大根/ネギ | 80 70 40 30 30 50 50 10 10 30/10 | 1/4丁 2枚 | ||
| モズク酢物 | モズク 砂糖 酢/しょうゆ | 50 2 5/5 | |||
| 1日計 | 総エネルギ- 1600kcal | 総タンパク質 73.0g | 総脂質 41.0g | 総糖質 232g |
高中性脂肪血症の男性のための献立を紹介します。
中性脂肪が増加するタイプは、日本人男性に多く見られます。食事療法の基本は肥満の是正を第一とし、摂取エネルギ-を適正体重=22×身長(m)×身長(m)=1kg当たり25-30kcalに設定します。肥満が解消されてくると中性脂肪も低下してきます。
高糖質食やアルコ-ルの多飲は、中性脂肪の合成を促進しますので、糖質は1日総エネルギ-摂取量の50-60%を目安とし、特にショ糖や果糖は控え、アルコ-ルも当然制限します。男性に多い糖質の過剰摂取のパタ-ンは、チャ-ハンとラ-メンや、うどんとおにぎりなど主食となり得る2つの食べ物を組み合わせる食べ方です。そしてショ糖は菓子や清涼飲料水から、果糖はフル-ツから摂取されています。
知らず知らずに過剰摂取になりやすいので、食事の組み合わせや摂取の仕方に注意を払いましょう。
また、魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸(DHA)などの多価不飽和脂肪酸は、特に中性脂肪の低下に有効です。1日1回は魚を食事に取り入れてください。
| 朝食(いわしの油漬ほか) | 昼食(うどんすき) | 夕食(蒲焼きもどき) |
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【調理法】イワシの油漬けピクルス添え
玉ネギはスライスにし、水洗いして水切りします。玉ネギを皿に敷いてサ-ジンをの せ、パセリのみじん切りをかけ、ピクルスを加え、レモンを添えます。
蒲焼きもどき
イワシは頭を取り3枚におろして、酒少々をかけます。イワシに小麦粉をまぶしてサラダ油で焼きます。しょうゆ、ショウガ(生姜)、酢を合わせ、そのなかにイワシを漬け込みます。
牛汁
牛肉は3cmくらいの長さに切ります。サツマ芋は下茹でします。こんにゃくも短冊にきり、さっと茹でます。ゴボウはささがきにします。なべにサラダ油を入れ熱し、牛肉をいため、サツマ芋、こんにゃく、ニンジン、ゴボウを加えていため、だし汁を入れます。みそは3分の2量を入れ、野菜が煮えたら残りのみそとネギを加えます。
| 献立名 | 食品名 | 可食量(g) | 目安量 | ||
| 朝 | パン | フランスパン | 60 | エネルギ- 488kcal タンパク質 19.8g 脂質 13.4g 糖質 73.4g | |
| いわしの油漬け ピクルス添え | オイルサージン 玉ネギ パセリ ピクルス レモン | 20 20 5 30 10 | 2匹 | ||
| 粉ふき芋 | ジャガ芋 | 100 | 中1個 | ||
| フレッシュ サラダ | レタス トマト キュウリ サラダ油 酢 塩 | 30 40 30 5 5 0.5 | 1枚 1/4個 1/3本 | ||
| イチゴヨーグルト | イチゴ ヨーグルト | 100 100 | 中7粒 | ||
| 昼 | うどんすき | 茹でうどん 牛かた肉 (脂身なし) しらたき 青ネギ 生シイタケ 白菜 春菊 豆腐 サラダ油 砂糖 しょうゆ だし汁 七味唐辛子 | 200 90 50 30 10 80 20 50 5 3 15 100 少々 | 1玉 1/4玉 中1枚 1枚 1品 1/4丁 | エネルギ- 512kcal タンパク質 32.2g 脂質 18.9g 糖質 50.2g |
| 間 | ミルクティー | 紅茶 牛乳 | 70 70 | エネルギ- 40kcal タンパク質 2.0g 脂質 2.5g 糖質 3.0g | |
| 夕 | ごはん | ごはん | 165 | エネルギ- 576kcal タンパク質 29.1g 脂質 19.3g 糖質 64.3g | |
| 蒲焼きもどき | マイワシ ショウガ 酒 小麦粉 サラダ油 しょうゆ みりん 酢 粉サンショウ | 80 少々 少々 少々 3 2 3 1 少々 | 中2匹 | ||
| キノコホイル焼き | シメジ エノキタケ 酒 パセリ レモン | 25 25 少々 少々 少々 | |||
| 牛汁 | 牛もも肉 サツマ芋 こんにゃく ニンジン ゴボウ ネギ 油 だし汁 みそ | 25 60 30 10 15 5 5 150 13 | |||
| 1日計 | 総エネルギ- 1616kcal | 総タンパク質 83.1g | 総脂質 54.1g | 総糖質 190g |
骨量は加齢とともに減り、特に骨粗しょう症は閉経後の女性に心配される病気の一つです。しかし食生活や運動などで、骨量減少を予防し骨粗しょう症の進行を抑えることは可能です。
| じゃがたらごはん | イワシつくねの青シソ風味 | 花空也むし |
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骨の形成には、カルシウム、リン、タンパク質、ビタミンDの摂取がかかわっています。この中で、日本人ではカルシウムの摂取が少なく、充足率は89%です。カルシウム所要量は成人では1日600mg、高齢者では腸管からの吸収が減り、1日900mg~1000mgが必要と言われています。
カルシウムは食品によって吸収率が異なります。吸収率のよい牛乳、ヨ-グルト、チ-ズなどの乳製品を日常生活にうまく取り入れる工夫が大切です。骨ごと食べられる小魚(シラス干し、小イワシなど)、豆腐、納豆も大切なカルシウム源です。緑黄色野菜は、吸収率はやや低いのですが供給源として欠かせません。
栄養関連因子のうちリンだけは摂取量が増えると、カルシウムの吸収を悪くします。カルシウムとリンの比は1対2までとされています。リンは食品添加物として強化剤、醸造用剤(合成清酒)、乳化剤、調味料、特にインスタント食品や加工食品に結着剤として広く使われています。加工食品の使用を控えましょう。
食塩やカフェイン(コ-ヒ-)もリンと同様に取り過ぎは骨にマイナスです。取り過ぎないように注意しましょう。
タンパク質は骨形成に必要な栄養素であるばかりでなく、筋肉を丈夫にして骨折の予防にも大切です。これまでの献立と同様にバランスのよい食事に加えて、カルシウムの摂取を心掛けることが大切です。
カルシウムを1日必要量摂取するカギ
A例
| 牛乳 小魚 豆腐 納豆 小松菜 | 200g 20g 100g 50g 50g | 200 100 120 45 145 |
| 合 計 | 610 | |
| ヨ-グルト チ-ズ 小イワシ 凍り豆腐 ホウレンソウ | 100g 20g 50g 20g 50g | 130 130 200 115 25 |
| 合 計 | 600 | |
じゃがたらごはん
ごはんは塩、酒を入れて炊きます。冷凍フレンチポテトは1cm角に切り油で揚げ、チ-ズも1cm角に切り、炊きあがったごはんにみじんパセリとともに混ぜます。
イワシつくねの青シソ風味
イワシは頭と中骨だけを除き、包丁で細かくたたいてすりみを作ります。フ-ドプロセッサ-だと楽にできます。青シソは千切り、ショウガのみじん切り、スキムミル 、塩、コショウ、卵、かたくり粉をイワシのすりみに加えます。1人2個に丸め、4cm角に切ったのりを両面につけて油で焼きます。粉サンショウ、レモンを添え ます。
花空也蒸し
蒸し茶わんに豆腐、エビ、生シイタケ、ゆでた小松菜を盛り、卵とだし汁をあわせ調味した卵液を注ぎ、中火で蒸します。蒸しあがりに三ツ葉、おろしワサビを添えます。
| 献立名 | 食品名 | 可食量(g) | 目安量 | カルシウム (mg) |
| じゃがたらごはん | 米(強化米入り) 塩/酒 プロセスチ-ズ フレンチポテト 揚げ油 パセリ | 70 1/5 20 20 2 2 | 小1/5・小1 3×4×1cm 3本 | 4 126 1 |
| 計 | エネルギ-361kcal タンパク質9.7g | 131 | ||
| 青菜ごはん | 米(強化米入り) 塩/酒 シラス干し 大根葉 卵 油 | 80 1/5 10 30 30 1 | 小1/5・小1 大2 1/2個 | 5 53 42 17 |
| 計 | エネルギ-356kcal タンパク質12.6g | 117 | ||
| イワシつくねの青シソ風味 | イワシ 塩/コショウ ショウガ/青シソ 卵 かたくり粉 ネギ スキムミルク ノリ サラダ油 レモン | 70 0.3/0.1 5/2 7 5 10 10 少々 5 10 | 2匹 少々 少々/2枚 少々 大1/2 大1 1切 | 49 3 1 8 110 4 |
| 計 | エネルギ-269kcal タンパク質17.8g | 175 | ||
| エノキタケのクリ-ム煮 | 鶏むね肉 玉ネギ エノキタケ パセリ マ-ガリン 小麦粉 牛乳 白ワイン/ロリエ 塩/コショウ | 60 50 30 2 8 10 150 7/少々 1.4/少々 | 1/4個 1/2把 少々 大1 大1 3/4カップ 小1.5 | 2 8 1 2 150 |
| 計 | エネルギ-276kcal タンパク質20.3g | 163 | ||
| 白身魚のチ-ズ揚げ | 白身魚(または鶏肉) チ-ズ 青シソ 塩/コショウ 小麦粉 卵 パン粉 油 | 60 20 1 0.3/0.1 3 5 5 4 | 3×4×1cm 1枚 | 9 126 3 |
| 計 | エネルギ-207kcal タンパク質19.2g | 138 | ||
| 花空也蒸し | 豆腐 卵(卵液) だし汁(卵液) 塩(卵液) しょうゆ(卵液) みりん(卵液) エビ シイタケ/三ツ葉 小松菜 だし汁(かけ汁) 塩(かけ汁) しょうゆ(かけ汁) | 70 30 80 0.8 少々 10 20 3/3 30 30 0.2 少々 | 1/4丁 1/2個 小1/6 小2 1匹 1枚/少々 | 84 17 11 2 87 |
| 計 | エネルギ-148kcal タンパク質12.7g | 201 | ||
鉄欠乏性貧血の食事について、特に鉄を多く供給してくれるレバ-料理を紹介します。
鉄欠乏性貧血は、血色素の構成要素となっている鉄の不足によって生じる貧血で、貧血症の中でも最も多いものです。造血に必要な鉄が不足する原因としては、食事からの鉄の摂取不足、腸管からの鉄の吸収不良、鉄の需要増大(思春期、妊娠、出産)、出血による鉄の損失などが考えられます。貧血と軽く考えないで、病院で十分な検査を受けてください。 貧血の症状としては、動悸、息切れ、耳なり、めまいなどが主に現れます。日本人の鉄所要量は、発育期の子供や妊娠、授乳期の女性を除いて、1日当たり男性が10mg,女性が12mgとなっています。
食事の基本は、1日3食をきちんと栄養不足にならないようにバランス良く食べ、偏食や欠食をやめることです。そして鉄を積極的に取ります。そのとき、鉄の中でも吸収率のよいヘム鉄を含む動物性タンパク質を十分取ります。
●レバ-料理を紹介
鉄を多く含む食品は、レバ-のほかにシジミ、アサリ、ヒジキ、牛ひれ肉、凍り豆腐などがあります。
胃酸は鉄を吸収しやすい状態にしますので、分泌を高めるために果汁、酢、香辛料を利用します。また、ビタミンCは鉄の吸収を高めますから、野菜やフル-ツも十分にとりましょう。
| 一品豆腐 | 乾炸猪肝 |
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一品豆腐(イ-ピンドウフ)
豆腐は水気をきってかたくり粉をつけて揚げます。豚肉の薄切りは適当な大きさに切ります。レバ-は血抜きをして十分ゆがき、5mm厚に薄切りします。ネギとショウガみじん切り、タケノコは薄切り、干しシイタケはもどし、半分に切ります。キヌサヤはすをとって塩茹でします。調味料は酢を除いて全部合わせます。鍋をよく熱してからネギとショウガをいため、材料を加えいためます。火が通ったら合わせておいた調味料を入れ、一煮立ちさせ酢を加え、水ときかたくり粉でとろみをつけます。
鶏レバ-のおろしあえ
レバ-は血抜きをし、適当な大きさに切り、臭みを消すためにネギやショウガなどを入れてゆがきます。大根はおろし、キュウリは小口に切って軽く塩をします。材料を調味料であえます。
乾炸猪肝(ガヌヂァヅウガヌ)
レバ-は血抜きをし薄切りにします。しょうゆとショウガ汁を合わせて漬け込みます。
下味がついたら水気をとって上新粉をつけてカリッと揚げます。 レバ-ペ-スト
鶏レバ-、ニンジン、玉ネギ、ジャガ芋、セロリを薄切りにします。マ-ガリンで玉ネギをいため、レバ-を加え赤ワインをふります。ニンジン、ジャガ芋、セロリを加え、ブイヨン、調味料を加えて煮つめます。ロリエを忘れずに入れて煮ましょう。煮つまったらフ-ドプロセッサ-かミキサ-でペ-スト状にします。
| 食品名 | mg/100g | 一回使用量 | |
| g | 鉄 mg | ||
| 豚肝臓 アユ(養殖・内臓) 鶏肝臓 ヤツメウナギ かつお缶詰(味付け) シジミ ヒジキ(乾燥) フダンソウ ホウレンソウ アサリ 牛肝臓 大豆(国産) 凍り豆腐 切り干し大根 煮干し 牛もも肉 イワシ 赤貝 レバ-ソ-セ-ジ まぐろ赤身 干しアミ インゲン豆 きな粉 鶏卵(卵黄) |
13.0 8.0 9.0 9.0 6.5 10.0 55.0 4.1 3.7 7.0 4.0 9.4 9.4 9.5 18.0 2.4 2.3 5.0 7.4 2.0 14.0 6.0 9.2 4.6 |
50 70 50 50 50 30 5 60 60 30 50 20 20 20 10 70 70 30 20 70 10 20 10 18 |
6.5 5.6 4.5 4.5 3.3 3.0 2.8 2.5 2.2 2.1 2.0 1.9 1.9 1.9 1.8 1.7 1.6 1.5 1.5 1.4 1.4 1.2 0.9 0.8 |
| 献立名 | 食品名 | 可食量(g) | 目安量 | 鉄 (mg) |
| 一品豆腐 | 豆腐 油 豚肉薄切り 豚レバ- ネギ ショウガ タケノコ 干しシイタケ キヌサヤ ス-プ/酒 しょうゆ/酢 砂糖/かたくり粉 | 70 3 40 40 5 5 20 2 10 50/10 15/15 10/4 |
約1/5丁 1枚 小2枚 各大1 | 1.0 0.5 5.2 0.1 0.1 0.2 0.3 |
| 計 | エネルギ-270kcal タンパク質24.4g | 7.4 | ||
| 鶏レバ-のおろ しあえ |
鶏レバ- 大根 キュウリ 酢/しょうゆ だし汁 |
50 50 30 7/7 5 |
1/3本 各小1 |
4.5 0.2 0.1 0.2 |
| 計 | エネルギ-74kcal タンパク質10.8g | 5.0 | ||
| 乾炸猪肝 | 豚レバ- ショウガ しょうゆ 上新粉 揚げ油 |
50 5 3 10 5 |
小1/2 大1 |
6.5 0.1 |
| 計 | エネルギ-150kcal タンパク質11.1g | 6.6 | ||
| レバ-ペ-スト |
鶏肝 玉ネギ セロリ ニンジン ジャガ芋 赤ワイン ブイヨン 塩 コショウ ロリエ マ-ガリン |
50 20 10 10 20 5 100 1 少々 少々 5 |
1羽分 小1 1/2カップ 小1/5 小1 |
4.5 0.1 - 0.1 0.1 |
| 計 | エネルギ-119kcal タンパク質10.2g | 4.8 | ||
わが国は、終戦後の貧困と食糧難の時代を見事に乗り越え、国民生活も豊かになり、世界でも有数の経済大国となりました。終戦からしばらく続いた国民の栄養不良は、現在では想像もつかない遠い過去のものとなりました。国民の多くはグルメや飽食を楽しみ、食事のスタイルも糖分(でんぷん質)を主とするものから、欧米先進国並みの脂肪やタンパク質を主とするものに代わり、今日、栄養失調が語られることもなくなりました。
経済的なゆとりから自家用車の利用も多くなり、歩く機会も少なく、国民が粗食に耐えながら働いた戦後復興時代には、ほとんどなかった、エネルギ-過剰による肥満、それに伴う糖尿病や動脈硬化といった、いわゆる成人病やがんが増加してきました。
●成分も働きも異なる
ヒトが健康に生きていくためには、バランスの良い食事を適量摂らねばならないことを、度々説明してきました。食事のアンバランスに起因するさまざまな病気の中で、日常遭遇します肥満症、糖尿病、動脈硬化症。鉄欠乏性貧血、骨粗しょう症や高血圧症などについて、本書では食事との関連や、その予防と治療のための献立と調理の実際を例示しながら解説しました。
また、がんの3分の1は食生活と関連があり、緑黄色野菜の摂取が予防に役立つことも紹介しました。
ヒトの体は、主としてタンパク質、脂肪、糖、それに少量のミネラルを構成成分とする約60兆個の細胞からできています。しかし、すべての細胞が同じ成分から成り立っているのではなく、また働きも異なっています。たとえば血液の中で酸素を全身に運ぶ赤血球はヘモグロビンという鉄を含むタンパク質がつまっており、運動の際に利用する筋肉の細胞では、運動に必要な収縮タンパク質がいっぱいつまっています。これら2種類の細胞は必要とする栄養素も量、質ともに異なっています。働きが異なれば、細胞内の化学反応を調節している酵素タンパク質も、質と量が異なります。
●知ろう栄養素の必要量
このように体をつくる何種類もの異なる細胞は、3大栄養素やミネラルの必要量を異にしておりますが、栄養を考える場合には、ヒトの体全体として、どのくらい必要とするかを知ることが大切です。
厚生省は5年ごとに「国民が健康を維持し、社会に十分な活動を営むのに必要な栄養摂取量」を定め、「日本人の栄養所要量」として公表しています。平成7年4月からの適用の第5次改定の中の1、2を拾ってみますと、タンパク質と脂肪と糖(でんぷん質)のエネルギ-の割合がパ-セント比で15対25対60になるように、また、総タンパク質中に占める動物性タンパク質の割合は、40から50%取ること、食物繊維は摂取1000kcalあたり10gを目安とすることなどが推奨されてます。
●不可欠なミネラル
ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、銅、鉄、亜鉛、リンなどの、ミネラルも細胞機能には欠かせないものです。酸素はエネルギ-産生には必要不可欠です。しかし、酸素に由来する活性酸素は、細胞を損傷し、脂肪を過酸化脂質に変えていろいろの障害を引き起こします。ミネラルや、活性酸素による障害を防ぐ抗酸化作用のある物質を含む肉や野菜など、その成分の異なる各種の食物をバランス良く取り混ぜて食べることが肝要です。
病的肥満や糖尿病、それに続く動脈硬化、それに起因する心筋梗塞、さらには高血圧、がんなど食生活に関係深い疾患に対しては、食事スタイルに注意してその予防に努めることが一番です。もし、これらの病気の恐れのある人は、それぞれの病態は個人差が大きいですから、必要に応じてお医者さんの診察を受け、その指示にしたがった食生活を、場合によっては、栄養士さんから食事指導を受けられるようにお勧めします。
要するに、バランスの取れた食事をし、暴飲暴食や過食を避け、消化吸収を助ける視覚、嗅覚、味覚を満足させる料理を楽しく取り、適切な運動と十分な休養を取るという生活スタイルの確立が、健康を満喫できる最大の要件でしょう。
石西 伸
九州大学医学部卒業。医学博士。九州大学医学部教授を経て、
現在、中村学園大学教授。専門 衛生学。
伊藤 和枝
日本女子大家政学部卒業。医学博士。中村学園大学教授。
専門 臨床栄養学。
今井 克己
徳島大学大学院栄養学研究科博士後期課程卒業。
保険学博士。中村学園大学助教授。
専門 臨床栄養学。
楠 喜久枝
日本女子大学卒業。農学博士。中村学園大学教授。
専門 調理学。
城田 知子
中村栄養短期大学卒業。医学博士。中村学園大学教授。
専門 栄養指導論・栄養学実習。
谷口 巳佐子
九州大学農学部卒業。医学博士。九州大学医学部助手を経て、
現在中村学園大学教授。
専門 栄養生化学
中村 元臣
九州大学医学部卒業。医学博士。九州大学医学部教授を経て、
現在、中村学園大学大学院教授。
専門 内科・循環器科学
橋本 俊二郎
九州大学農学部卒業。農学博士。中村学園大学教授。
専門 食品学。
樋口 公男
九州大学文学部卒業。医学博士。九州大学哲学科助手を経て、
現在、中村学園大学教授。
専門 生理学
廣畑 富雄
九州大学医学部卒業。ハ-バ-ド大学公衆衛生学部大学院終了。
医学博士、Dr Science in Hygiene。九州大学医学部教授を経て、
現在、中村学園大学教授。
専門 公衆衛生学。
水上 茂樹
東京大学医学部卒業。医学博士。九州大学医学部教授を経て、
現在、中村学園大学教授。
専門 生化学
吉村 英敏
東京大学医学部卒業。薬学博士。九州大学薬学部教授を経て、
現在、中村学園大学教授。
専門 衛生化学・法中毒学・薬物代謝学
山元 寅男
九州大学医学部卒業。医学博士。九州大学医学部教授を経て、
現在、中村学園大学長。
専門 解剖学・栄養形態学。